SKETCHES
スケッチ
記憶、日々の風景、思ったことなど
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部屋の片隅にたたずんでいる扇風機が、もう動かない観覧車のように見えた。
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誰かの見た景色でこぼれた涙は一体誰の涙なんだろう。
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季節を眺めていると、置いていかれるのか置いていくのかわからなくなる。
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幼い子供のまなざしは、言葉の少ないだだっ広い世界を浮遊している。
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誰かの部屋の本棚で、いつもは静かに眠り、ときどき寄り添って、また眠る。幸せな本の話。
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お父さんと男の子がキャッチボールをしている光景を座ってぼんやり眺めていたら、男の子の投げたボールが勢いよく転がってきたので、拾ってお父さんに投げ返した。外の世界から、こちらに向かってふいに入り込んできたみたいな感覚だった。
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なにもかもが嘘だったと思いたくもなければ、なにもかもが本当だったとも思いたくないような夜。
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月の光にそそのかされて、猫が寂しげに鳴いていた。
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通りすがりのアパートの二階が、ずいぶんと明るい電気を使っているんだなと思ったら、窓に月が映っているだけだった。
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水を飲んで体をゆすぐように、小鳥の鳴き声は心をゆすいでくれる。